助川友朗のエッセイ集

tomo essay

09 あれから15年



皆様に大変うれしいお知らせです。 2012年から、北畠 博 氏に我々の顔(代表)になることを引き受けていただきました。

一昨年、浜田代表が他界され代表をどうするかで大変悩み、『どなたかしかるべきダンス界以外の名士の方にお座りいただく』ことを条件に仙台の谷先生に代表代行を受けていただいておりました。

そして、あの3月の大震災、大変な被害を受けられた谷先生に二重のご負担を掛けてしまいました。 昨年の暮れに、谷代表代行や宮木副理事長ともご相談をし、北畠氏に代表就任を要請し、お引き受けをしていただきました。氏のプロフィールや考えは別紙に添えておりますので是非ご一読いただきたいと思います。


氏は色々なお仕事を手がけ、現在は広告代理店を任され、きりもりいらっしゃいます。我々がどっぷり浸かってしまっているダンスの世界を別の視点で我々に適切なアドバイスをしていただけると思います。 2012年の今年は、19回目の総会になります。


つまり、創立20年を迎えることと成ったわけです。 設立当初は、当時、旧日本競技ダンス連盟を基盤にできた財団法人「日本ボールルーム連盟」に反対であった者、加盟しなかった者の集まりで、WD/DCSの加盟をする為に出来た、競技会運営団体と教師協会の両面の性格を持つものでした。


その後、教師の会費が全て競技会に費やされる上、膨大な競技会運営赤字を生み、 JDCが設立されると赤字だけ残して、競技会運営部分は、JDCに移行、JNCPDができると、JDCとJCFに分離していきます。 創立5年にして、競技部門を分離したAJDT/DSCはAJDT/IDCと現在の名称に変更し、ダンス教師の為の組織として物事を考え、日本の中でダンスをどう発展普及していくか試行錯誤を繰り返しながら進んでまいりました。


2000年には、BDT(ドイツダンス教師協会)と正式に業務協定を結び、その後ADTV(ドイツダンス協会)を始めとしてEU各国と協定を結び、INTAKO参加国として日本で唯一の国際ダンス教師協会としての地位を確立してきました。 しかしながら、15年前に『このままでは、日本のダンスが駄目になる』『ダンスに対する考え方、教え方を変えなければ10年後にはダンス人口は1/10になる』と警鐘を鳴らし、競技(アスリート)の大衆化は質の低下を生みやがて廃れる、今こそ「社交ダンス」を見直し、いつでも、何処でも、誰とでも楽しめる社交ダンスを発展させねば、お思いでやってきました。


が、現実は我々が予想した通りの下り道を転げ落ちていく日本のダンス界の衰退を食い止めることは出来ていません。 10年前に平均60歳台半ばのダンス人口は現在70歳台半ばになり、全国のダンス人口は1/5に成りました。サークル数も減少し、20~30人いたサークルは軒並み一桁。


ダンス教室も廃業があとを絶ちません。JDSFの登録選手(アマチュア)は全国で2万人いるそうですが、その内の半数は60歳から65歳だそうです。 公民館のパーティは教え魔の老男性と学生リボンに殺到する老女だけで、着る物だけが派手になっています。とても初心者が入り込める景色ではありません。新たなダンス愛好者が増えていくわけもありません。


ルンバやチャチャチャが取れない、いや、外れていることすら判らない人、それを恥ずかしいと思わない人が、全体の9割に上る、音楽を無視して踊る人や人とぶっかっても平気で挨拶も言わない人が殆どで、その上、「男性が音が取れなくても、女性は付き合って踊るのがマーナーです」等と平気でダンス雑誌に載るような有様です。

そして、何年もダンスをしている人(愛好者)が加害者となり、我々の活動に邪魔をし、ダンス人口を減らし、ダンス滅亡に拍車を掛けているのです。 このような末期的な状態にしてしまったのは、ダンスに関わってきた我々の責任です。このような状況を予測しながら、食い止められなかったのは我々の責任です。 我々の力不足です。


15年もの間、何も出来なかったのです。 私は諦めていません。 我々AJDT/IDC国際ダンス本部の会員全員が、音が取れる様に成って、音楽に乗って、相手と踊る、相手のために踊る、ダンスを楽しめる術を伝える。

私たちは非常に小さい団体です。そして、個々のダンスレベルも高くありません。言わば、ダンスが下手の人集まりです。現役の上級の競技選手の様にダンスが踊れるわけでもありません。 しかしながら、誰とでも、何処でも、何時でも踊れるダンスを伝えることは出来ます。


ダンスを楽しむ術を伝えることは出来るはずです。 私たちには、武器があります。ヨーロッパの方々と共に研究し、開発してきた余暇プログラムとしてのダンスを伝える手法を持っているからです。 我々AJDT/IDC国際ダンス本部の会員一人一人が立ち上がり、変わって下さい。


あなた方一人一人が変われば、ダンスの世界は変わります。 古い教え方は捨てて下さい。 武器を使って下さい。 私達一人一人が変われば、日本のダンス界は救えるのです。 日本の国民がダンスを楽しむ、ダンスに出会って人生が豊かになる、そんな世の中をあなた達が、いや、我々が創るのです。

誰も何にもしてはくれません。傍観者であっては変えることはできないのです。 ダンス? 何処かで誰かがやってるよ、僕の周りには誰もいないけどね、そう言えば、死んじゃったおじいちゃんとおばあちゃんが昔やっていたといってなあ。 10年後にこうならない為には今が重要です。


あれから15年我々は、いや、私は何も出来なかった、何も変えられなかったから。 明日の為に 我々は立ち上がらなければならないのです。